行政書士試験合格前に補助者になるのはオススメしない理由
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行政書士の卵
私が個人的に「行政書士試験に合格する前に補助者になるのはオススメしない理由」を書きます。
私の経歴
H22年度 行政書士試験合格 → 数年後、家庭不和 → 働くことを決意 → 年齢的に、行政書士有資格を活かした求人ぐらいしか応募できなかった → 行政書士事務所に就職して補助者となる → 行政書士事務所で働きながら行政書士登録(登録した時点で補助者ではなくなる) → 行政書士事務所を移る(雇われているというより、一緒に仕事をしているというスタイル)
ちなみに家庭不和は解消され、今は円満。
行政書士になれたので、今、思えば、いいきっかけとなりました。
試験内容と実務が乖離している
司法書士等は、試験勉強として学んだ内容がすぐ実務に活かせるのに対して、行政書士の試験内容は、実務と乖離(かいり)しているため、実務に役立たない、とよく言われます。
役立たないから不要なのではなく、「試験に合格したからといって、すぐに独立して仕事をするのは難しい」といった感じです。
それならば、試験勉強中から補助者になって、実務を学んでおけば、「合格と同時に独立できるのでは」と考える人も多いと思いますが、補助者となって、忙しくなりすぎてしまうと、なかなか勉強時間を作ることができません。
試験勉強のために時間を配慮してくれる事務所ならいいですが、そういう理解のあるところは、「合格後もその事務所で働いてくれること」を条件にしているでしょう。
勉強のために、就業時間について融通をきかせてくれた勤め先に対して「合格したから、独立します。はい、さようなら」というわけにはいかないですよね?
(法的に拘束されるわけではありませんが、退職後、その先生と同じ支部になったりしたら気まずいです・・・)
ある程度、試験勉強ができていて、「あとちょっとで合格」というところまで、完成させているなら補助者になるのもいいかも知れませんが、補助者をしながら勉強するのは時間的に大変だと思うのです。
そして、何より、補助者になって仕事ができるようになってしまうと、モチベーションを維持するのが大変だと思うのです。
スーパー補助者
今の事務所に居るパートさんは、年数はまだ2、3年なのですが、ある分野に関しての書類をずっと作り続けていることもあって、理解が深く、本職の行政書士より仕事がわかっていることがあります。
本職より、詳しいこともあって、冗談で、そのパートさんも「私が資格持ってたら独立しますよ」と言ったりしていますし、実際に、資格があれば、一人でもやっていけるでしょう。
(集客ができるかはともかく、依頼があれば、こなせるという意味)
かといって、法律知識ゼロのパートさんが、今から、行政書士の勉強をする気は起きないだろうなぁとも思いました。
モチベーションを保つのが難しい
勉強すればするほど、実務に役立つならともかく、行政書士試験の勉強は、実務には直結しない内容だからです。
仕事ができる人こそ、「なんで、こんな不要なこと勉強しなきゃいけないの?」と疑問が生じ、モチベーションを抱くのが難しいと思います。
実際、私も、行政書士という仕事をよく知らなかったから、勉強を続けられたようなもので、「実務と勉強が乖離している」ということを知っていて、かつ、「すでに実務で通用するだけの実力を持っている」状態だったら、勉強をする気が起きなかったかもしれません。
これは、それぞれの考え方によるものなので、こんな考えなのは、私ぐらいかもしれませんが・・・。
補助者の道を極める人がいる
スーパー補助者は、補助者の道を極めて、行政書士事務所にずっと勤め、その先生が廃業したら、ほかの事務所に就職したりします。
実際、「実務経験のある補助者」は重宝されるでしょう。
「仕事を覚えて2年後には独立」と考えている行政書士候補より、長いこと勤めてくれる補助者のほうが、事務所にとっては助かりますよね。
合格後に学ぶ
「合格したらすぐ開業したい!」という人からしたら、「事前に、補助者にでもなっていなければ実務が覚えられないじゃないか」と思うかもしれません。
私の場合は、行政書士試験合格後に、補助者になって実務を覚えましたが、補助者の募集が少ないのは確かです。
試験合格後、補助者になることなく、何も知らないまま、行政書士として独立開業して、研修や、支部の交流で知り合った先生たちに教えてもらいながら、仕事をこなす人もいます。
どの道を選ぶにせよ、その人の運次第というところもあり、なるようにしかならないと思いますが、個人的には、「勉強のモチベーションを保つ」という観点からは、「合格前に補助者になるのはおすすめしない」です。
最後に
結局は、その人の性格や好みにあったやり方がベストです。
私はこう思いますが、皆さんはいかがでしょうか。